夜になったら、昔のことを思い出す。思い出したって、どうしようもないって分かっているけれど。 一度頭に浮かぶと、もう考える前の私には戻れなくて、涙が出てスッキリするまで、全部思い出してしまう。 昔おじいちゃんが死んだこと、高校時代の恋人に振られたときのこと、母親の病気のこと、最近気になっていた人に見向きもされなかったこと、人にちょっと冷たくされたこととか… こうやって書き出してみると、私の中に残っているつらい思い出や悲しい現実が、思いの外、少なかった。毎日、色んなことに悲しんでいるように見せかけて、実は、涙を流す話題は、いつものレパートリーの中… こうして泣いても、鼻周りの肌が荒れて、翌朝まぶた…