埼玉県深谷市の岡部駅から、午後の探索を始めた。駅前は静かで、どこか時間の流れがゆるやかに感じられる。南口を出て旧中山道を西へ。道沿いには住宅が並び、庭先には秋の草花が咲いていた。 この日は特に目的地を決めず、ただ歩くことを楽しんだ。道端には彼岸花が赤く咲き、田んぼでは稲が頭を垂れていた。すでに刈り取りを終えた区画もあり、秋の深まりを感じさせる。 日が傾きはじめたころ、そろそろ岡部駅へ戻ろうと、来た道を引き返していた。 そのときだった。 西の空に、巨大な雲が浮かんでいた。夕陽を背に受けて、雲の縁が金色に燃えている。まるで、空の海を泳ぐ獣の背中のようだった。背を丸め、尾を引きながら、静かに空を渡っ…