平安京内裏の主要殿舎の一つ。〈せいろうでん〉とも読み,清冷殿,西涼殿,路寝(ろしん),中殿(ちゆうでん),本殿ともいう。天皇の日常の御座所があり,四方拝,小朝拝,叙位,除目(じもく)等の公事を行ったところ。平安京内裏では,はじめ諸殿の中央にあった仁寿殿(じじゆうでん)がその役を果たしていたが,村上天皇の代,960年(天徳4)の火災以後,清涼殿がこれに代わったと伝えられている。天正度の造営(1590)のときに常御殿(つねごてん)が造られ,これが天皇の日常の御座所となったため,清涼殿は儀式にのみ使用されることとなった。