今回から日蓮の話に戻ります。 前の記事( 日蓮について振り返る⑤ - 自燈明・法燈明のつづり )では比叡山延暦寺の修学から戻った日蓮は、清澄寺の持仏堂で人々に対して、己が確信した教えについて説き始め、結果としてそれが日蓮の清澄寺追放という事に結びついて行った事を書きました。 今回はその内容について、もう少し書き下しをしてみたいと思います。 ◆東条御厨について この清澄寺追放の事を理解するためには、東条御厨について知って置く必要があります。 東条御厨とは、源頼朝が伊豆で挙兵後、石橋山の合戦で、相模の国の大庭氏に敗れ、命からがら真鶴から小舟に乗り安房の国へ逃走し、そこで再起を図るために安房国東条郷…