「渋沢栄一が好んだ煮ぼうとう」を食べたら気が変わって生家に立ち寄ったのですが、その駐車場にもまた渋沢栄一氏の説明がありました。 我が人生は実業にあり。 渋沢栄一 天保十一年(一八四〇)豪農、渋沢市郎右衛門の子として誕生。昭和六年(一九三一)九十二歳の大生涯を閉じるまで、実に五百にものぼる企業設立に携わり、六百ともいわれる公共・社会事業に関係。日本実業界の祖。稀代の天才実業家と呼ばれる所以である。 男の転換期。慶応三年(一八六七)十五代将軍・徳川慶喜の弟、昭武に随行してヨーロッパに渡る。 二十八歳の冬であった。栄一にとって、西欧文明社会で見聞したものすべてが驚異であり、かたくななまでに抱いていた…