9)帰納法とアブダクション 科学は、実験によって進歩しました。 実験とは、因果モデルの原因以外のパラメータを揃えて、原因パラメータだけを変化させることで、因果モデルを検証する手法です。 実験は、対象が実験室におさまるサイズであれば、実施可能ですが、対象が大きく、広範にわたる場合には、実施は不可能です。 かつて、実験が不可能な対象は、経験科学の独壇場でした。 データを集めて、データから法則性を見つける帰納法が主な研究手法です。 リベラルアーツの研究手法は、帰納法に偏っています。 帰納法は、仮説をつくる方法としては、非効率です。 また、帰納法には、仮説の検証能力はありません。 帰納法が仮説をつくる…