気が滅入る梅雨に『天声人語(240614)』は思う▼ムーミン一家は小さな島に移住する。島には不快な雨が降り続く。家族はみな気が滅入ってしまった▼トーベ・ヤンソン『ムーミンパパ海へゆく』▼さて、今、すでに暦では入梅を過ぎながら、到来が遅い▼梅雨を「つゆ」と読むのは、湿気を多さを表す「露けし」からともいう。なかなか梅雨入りしないのも、なぜだか落ち着かない▼悩めるムーミン一家は、ママの提案でピクニックに行く。またもや雨が降ってくる。不思議なことに、みんなもう気にしない。「すべてがごく自然で、それでよいのだという気がしてきました」。再生の象徴もまた、雨である。そうヤンソンは言いたかったか。 (私の)こ…