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潜水艦

(一般)
せんすいかん

【Submarine】サブマリン
海中に全潜航し戦闘その他任務を遂行する軍艦。水中戦艦艇*1

与えられる任務は対海上攻撃、通商破壊、遠距離偵察、哨戒、対潜作戦などが挙げられる。基本的に魚雷のほかミサイル、機雷などの武器を搭載し、対艦・対地攻撃にあたる*2


17世紀のイギリスで木製手漕ぎ式潜水艦が確認されるほか、18〜19世紀末には各国海軍が試験・導入を検討していた。*3

電池と電動機の発達と共に発展、実用となる。「ホランド艇」はじめ、各国にて実戦配備が進み、日本に於いてもホランド艇を輸入・国産化を図った。*4


その後、第一次大戦などで実戦投入され技術的進歩を遂げてゆく。
ドイツのUボートによる通商破壊作戦などは、英本土を飢餓の一歩手前にまで追い込んだという。
また、哨戒中の装甲巡洋艦三隻が単独の潜水艦に次々撃沈されるなどの事例から、潜水艦の脅威というものが大きくクローズアップされた。


更には、潜水艦の隠蔽性から、急所をつくための戦略兵器としての構想も生まれ、潜水砲艦ともいえる「M級」(英国)や潜水巡洋艦「シュルクーフ級」(仏)「X1級」(英)、潜水空母を狙った「潜特型(イ400級)」(日)などの計画も進められたが、実際には戦力発揮の機会は少なく、奇想兵器としての範疇にとどまっていた。*5


第二次世界大戦でも潜水艦は積極的に運用されるが、対潜作戦の技術の発展もあり、従来の水中待ち伏せ兵器という意味合いよりも、より長時間の水中稼働や、水中での高速発揮などが欲されていくようになる。*6

*7

戦後、潜水艦の動力は電気やディーゼルだったものが、1954年のアメリカ合衆国原子力推進潜水艦ノーチラス号の開発から、原子力機関が使用されるようになる。
原子力の使用により潜水艦はより深い潜航深度とより長い潜航時間*8を有するようになり、特に戦略弾道弾を搭載した戦略原潜などは、航空母艦と同等に現代の「主力艦」たる地位を獲得している。


日本は海上自衛隊所属として通常動力型潜水艦を16隻保有している。*9
近隣地域における潜水艦戦力の情勢としては、
中華人民共和国が戦略原潜1(+建造中1)、通常動力型戦略潜水艦1、攻撃原潜5(+建造中3)、通常動力型潜水艦各型合計100隻超
大韓民国が通常動力型9(+建造中AIP型潜水艦9)
朝鮮民主主義人民共和国が通常動力型26、特殊作戦用小型潜航艇60隻超
等の他、ロシア太平洋艦隊に多数潜水艦が配備されている。

*1:水中戦・艦艇であり、水中戦艦・艇ではない。水中戦闘艦艇である。

*2:なお、基本的に砲は装備していないが、後述のように14cm単装砲や挙句には20cm旋回砲塔を装備した潜水艦も存在する。

*3:実戦参加した人力推進の潜水艇としては、アメリカ独立戦争時の「タートル」艇や南北戦争時の「ハンレー」艇が挙げられる。なお、ハンレー艇(CSS H.L.Hunley)は後の研究で、世界初の潜水艦による水上戦闘艦への攻撃成功例であることが確認されている。

*4:その中で起こった「第六潜水艇」の遭難は、近代潜水艦発展史における有名な逸話の一つでもあるが、ここでは割愛。

*5:もっとも、この思想の極限が後に「戦略原潜」としてこの系譜の跡を継ぐことになるのだが。

*6:ex.ヴァルタータービン実験艇、潜高型潜水艦など

*7:また、潜水艦の発展とその運用技術の発展における副次的効果として、海洋調査技術も培われ、海嶺などが発見される遠因ともなったのだが、之は全くの余談である

*8:理論上は10年以上も潜航可能ともいわれるが、実際には食料や休息などの人間の方の問題が実質的な制約となる

*9:非核三原則は動力としての原子力利用を禁止するものではないが、2006年現在日本が原子力潜水艦を建造・保有したことは一度もない。

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