こんにちは、ハクです。 毎週「河北新報夕刊」から 様々な良い映画を毎週で紹介されています、と 私は毎月まとめて、こちらに載させて頂こうと思いました。 "紹介文"も、いい参考文です。あ~読みたい。 ( ´,_ゝ`)プッ それでは、映画の紹介について、 文は「河北新報」文を引用いたします。ご了承ください。 では、ご覧くださいませ。死角に、ご注意を。 ◇ ①『乱』…戦い続け滅びゆく人間 www.youtube.com どれだけの情熱とエネルギーと資金があれば、こんな途方もない映画ができるのだろう。 黒沢明監督「乱」を見るたびにそう思う。年を取るにつれ、この映画がつくられたこと自体が希望だと感じるよ…
銀座禁燈 永井荷風は、関東大震災後百貨店などが次々と建てられてゆく銀座に興味をおぼえ、しばしば自宅の偏奇館のある麻布から帝都銀座に足を向けるようになる。しかし、永井は酔客が銀座通りで喧嘩をしたり「酒楼」で乱暴を働いたりする姿を見たりするうちに、「断腸亭日乗」と名付けた日記にこう記すようになる ― 「銀座は年と共にいよ(いよ)厭ふべき処となれり」(昭10・7・9)。 新しい盛り場の散歩 ― 銀ブラという新造語はすでに定着していた ― を楽しみ、その風俗にも接し、料理屋にも理髪店にもしばしば通ったにもかかわらず、荷風は銀座の賑やかさに違和感をおぼえ始める。腰にぶら下げたサーベルを鳴らし、乱暴に通行…
「なんだこのジジイ、怪しげな奴…」「知らんぷりしとけよ!」 規制もゆるくなって、友達と愉しく登校するのである。ところが道端に、今時分こゝにいてはならぬ、怪しげなイキモノがいる。 雨はあがった。空青く、陽光さんさん。空気さわやかな午前八時。余所さまの玄関先の石段に、デジカメを手にしたみすぼらしいジジイが腰掛けてなど、本来いるはずがないのだ。一日の始まりに、縁起でもない。 想定をはるかに超えた晴天に、ジジイは寝そびれたのである。このまま寝付けずに、時間を中途半端に無駄にするよりは、溜った家事をわずかでも消化しようと、思いたった。で、溜りに溜った洗濯物の四十五リットルふた袋を両肩に背負って、コインラ…
[ Books Channel Store 出品中速報 | booksch.shop | 2022年02月22日号 | 永井荷風「散人」小門勝二 私家版月刊誌 全38冊 | #濹東綺譚 #永井荷風 新・ふらんす物語 散人 #小門勝二 他 | 永井荷風「散人」小門勝二 私家版月刊誌 全38冊コンディション:古書 「可」コンディション説明文:※古書「可」。[※経年に準じた焼け・シミ汚れ有][※表紙や誌面に焼け・シミ汚れ・一部に折れ・湿気によるヨレ等劣化有]テキストを読んで内容を楽しむ1冊としては問題はないと主観的には思っております。本は内容で有り、テキストであるという価値観をお持ちのお客様への出品…
「その夜お雪さんは急に歯が痛くなって、今しがた窓際から引込んで寝たばかりのところだと言いながら蚊帳から這い出したが、座る場処がないので、わたしと並んで上框へ腰掛けた。 『いつもより晩いじゃないのさ。あんまり、待たせるもんじゃないよ。』 (引用中略) 『それはすまなかった。虫歯か。』 『急に痛くなったの。目がまわりそうだったわ。腫れてるだろう。』と横顔を見せ、『あなた。留守番していてくださいな。わたし今の中歯医者に行って来るから。』 『この近処か。』 『検査場のすぐ手前よ。』 『それじゃ公設市場の方だろう。』 (永井荷風「濹東綺譚」新潮文庫45〜46頁) 何年か前に本屋でふと目に止まって買って帰…
新文芸坐の《青春スターから円熟の演技者、そして監督へ 映画を生きた男 追悼・津川雅彦》で映画『濹東綺譚(ぼくとうきだん)』(1992年、監督:新藤兼人)を鑑賞。原作は永井荷風の同名小説。ただし、原作の小説家が荷風本人に置き換えられている。主演は津川雅彦。墨東綺譚 [DVD]津川雅彦Amazon荷風(津川雅彦)が、毎夜玉ノ井の私娼窟に出かけては女遊びにうつつを抜かすなか、娘のような歳のお雪(墨田ユキ)と出会う。互いに惹かれ合うが、荷風は年齢差を理由に身を引こうとするがついに結婚をする。しかし戦局は激しさを増し、帝都は空襲に襲われる……。とにかくお雪を演じた墨田ユキがいい。この映画のオーディション…
あらためて考えてみると、父は書いたものをほとんど残さなかった。今のように誰もがSNS に手を出すような時代ではないから、一般の人が何かを書いて発信するということは稀だった。ただし、父は文学好きで、小説以外でも思想や詩歌、古典についての専門書も読み込んでいたし、原稿用紙や日記帳に書き物をしたり、短歌を作ったりしている姿を見たことがある。書くことを苦にしていなかったし、文章は巧みだったと思う。 勤務先の工場で、工場長クラスの人にあいさつ文を頼まれて原稿を作っていたこともあった。社内では出世を望まず平社員のままだったが、本好きのインテリという評価はあったのだろう。全国的な社内報に、顔写真入りで長めの…
先月の中で綴った足助の町並み。その中でカフェー建築というのをご紹介した。 blue-rock53.hatenablog.com 終戦後から1958年に売春防止法が施行されるまでの間、全国にいくつか存在していた赤線地帯。 吉原に代表されるような遊郭等の公娼制度がGHQによって廃止された後、あくまで店員と客の自由恋愛の元という建前で黙認されることで成立した「赤線地帯」。 そんな赤線地帯の中でも有名なのは、玉の井の名前で知られる現在の東向島駅周辺。 今でも、タイル張りやモダン建築風な装飾(丸柱やカーブ状の装飾)や、出入り口が2つある等、独特な雰囲気を纏うカフェー建築が残る。 今回は、前々から行ってみ…
< 「秋海棠」って ちっとも花の名前っぽくない気がしますけど ファンはたくさんいるらしいです > 1969年っていいますから、もう半世紀以上前の大ヒット曲「白い色は恋人の色」 ベッツィ&クリスっていうアメリカ人デュオが歌っていたんですね。作詞は北山修、作曲が加藤和彦っていう黄金コンビの歌。 めっちゃロングヒットで、その後もいろんな人がカバーしていますんで、けっこう若い世代の人でも聞いたことのある人も少なくないんじゃないでしょうか。 ♪花びらの白い色は 恋人の色 ♪なつかしい白百合は 恋人の色 っていうんですよね。 2番の歌詞が、♪青空の澄んだ色は 初恋の色 3番が、♪夕焼けの赤い色は 思い出の…
血圧値 123/81/76 酸素飽和度 98% 体温 36.1℃ 体重 67.6キロ 永井荷風の父親の久一郎は、プリンストン大学やボストン大学への留学経験もあるエリート官僚で内務省衛生局に勤務しており、後に日本郵船に天下りしています。 1903年、荷風は父の意向で実業を学ぶため渡米し、1907年までニューヨークやワシントンなどでフランス語を修めるかたわら、日本大使館や横浜正金銀行にも勤めています。 しかし、銀行務めとアメリカになじめず、父親のコネを使ってフランスに渡り、詩人・評論家の上田敏とも交流を持ちます。 日本に帰ってからの荷風は、父の意向に反して、高等遊民というか高等帰朝者として、「放蕩…
血圧値 126/86/65 酸素飽和度 98% 体温 36.2℃ 体重 67.9キロ その答えを誰もが知ってるから、誰も問えない。 中島みゆきのあの歌が聴こえますねえ。 変な人、荷風の面目躍如の「趣味」と言えば、「覗き」。 父は、内務省の官僚。エリート家庭で育った永井荷風は、19歳で作家デビュー。 父の勧めで材木商を営む令嬢と見合い結婚。しかし新婚にもかかわらず遊女と浮気三昧。父が亡くなると父が決めた妻と別れ、贔屓にしていた新橋の芸妓、八重次と再婚。しかし、八重次とは半年で離婚。今度は麹町の芸者、歌と遊郭の経営を始める。 荷風の趣味は、「覗き」ですから、店の押し入れの中に小さな穴を開け、連日客…
血圧値 120/88/72 酸素飽和度 98% 体温 36.5℃ 体重 67.5キロ 熱海に行きます。(ていうか、一昨日の話ね。) 「シンデレラおじさん(八木原君)」の住まいである温泉付きマンションがあるので、泊めてもらいます。 夜は窓から、例の花火が見られます。 なぜ「シンデレラおじさん」なのかは、こちらを参照。 0600 起床 気分快 晴 世田谷巡行。といっても脳外科病院から隠れ家バーへ徘徊しただけですが。 - にこたろう読書室の日乗 今回は、永井荷風関連のいくつかの聖地を巡る巡行です。 ☆ 荷風は、前に触れた麻布市兵衛(いちべえ)町の偏奇館を昭和20年3月の東京大空襲で焼け出され、各地を…
『花腐し』は、松浦寿輝の芥川賞受賞作の映画化でもあるけれど、と言いつつやはり、荒井晴彦のシナリオという惹きが強いか。 というのは、『赫い髪の女』は、中上健次の短編が原作なんだけど、原作とはほぼ違うものだった記憶。 モチーフもピンク映画の終末期にまつわる人々だということもあり、荒井晴彦氏の経験に引き寄せて見ることができる。というか、そう観ない人いないでしょう?。 さとうほなみは、『愛なのに』でも脱ぎっぷりよく脱いでいた。たぶん、荒井晴彦監督の好みというか条件に合う女優なんだろう。『火口のふたり』の瀧内公美も『彼女の人生は間違いじゃない』の脱ぎっぷりが目に止まったのかもしれない。 さとうほなみの場…
痛いニュース(ノ∀`) : 【静岡】旧庁舎でサバイバルゲーム 市議・市民から不謹慎と反対の声も…市長参加せず開催へ 島田市 - ライブドアブログ 理不尽なクレームには屈しないという前例が着々と増えつつあって何より。 なんだか久しぶりな気のする異業種交流会に参加。こないだのクラブといい最近なんか意識高い系というかパリピの仲間入りが出来つつあってちょっと鼻高々。どっちもほぼ壁の花だったのは内緒だ。 My Love あの空の色人になる前に 我孫子町 我孫子町 千葉県東葛飾郡にあった自治体。我孫子市の前身。 1889.4.1町村制施行により南相馬郡我孫子町*1、湖北村、布佐町が誕生。'97.4東葛飾郡…
東向島の長平(ちょうへい)の天もりです。 蕎麦、サクサクの天麩羅ともになかなか美味かったです。天麩羅は大海老とししとう。薬味は山葵と山盛りの大根おろしで、きざみねぎはありませんでした。 お品書きに書いてあったんですが、この店の蕎麦は基本的にニ八ではなく三七で、月に一度、ニ八の日を設けているとのこと。 天もりは1,350円、天ざるは1,550円。 ★★☆〈2023年秋〉 濹東綺譚 (岩波文庫 緑41-5) [ 永井 荷風 ]価格:649円(税込、送料無料) (2023/11/7時点)
血圧値 127/84/86 酸素飽和度 98% 体温 36.5℃ 体重 67.8キロ 昨日は僕が最期に教えた卒業生の大ちゃんが進学した学校の文化祭を観るために、つくば学園都市に行きました。 僕は彼らの最後の学年末考査の一週間前くらいのタイミングで脳幹出血となり、学校から消えることになりました。 僕もびっくりだけど、彼らにもご迷惑をおかけしたなあ。 この仕事は、こういうアクシデントの時、厄介ですよねえ。 0600 起床 気分快 晴 今日は脳のMR Iと血液検査に行きます。退院後、4ヶ月。僕の場合、お医者さんも驚くほど「奇跡的に軽く済んでいる」らしいです。 - にこたろう読書室の日乗 幸い授業はほ…
沼野恭子「「名著」について思うこと」(in 『わたしと「名著」』 *1、pp.10-11) 沼野さんが「考える名著の条件は、第一に時空間を超越する普遍性があること、第二に作品として魅力をそなえていること、そして第三に感情が揺すぶられること、である」という(p.10)。 幼いころを除いて「名著」の筆頭は、変わらずレフ・トルストイ*2の『アンナ・カレーニナ』である。かつて生の意味に悩み葛藤する登場人物レーヴィンと出会い、遠く離れた一九世紀ロシアの小説にこの普遍的なテーマが埋め込まれていることを知って驚嘆した。それ以来、アンナの執拗なまでの愛の追求、家庭の幸福をめぐる悲喜劇、虚飾に満ちた社交界と素朴…
住んでいる施設に入居して一年半近く、俳句サークルに入って一年余りとなり初めて出逢う俳句に苦吟している。 サークルの先輩居住者の方から俳句の魅力再発見とキャッチコピーの付いた、小沢信男著「俳句世がたり」岩波新書刊と、配偶者の方が詠まれた手作り句集「新茶汲む」を貸していただいた。 「俳句世がたり」の方はみすず書房の月刊誌「みすず」に連載された、芭蕉このかた数多くの先達の俳句・川柳などを引き出し役やまとめ役として、季節の移ろい、世間の出来事などに目をこらし73の短文にまとめたもので、それぞれの句を味わうための着眼点が随所に盛られている。 私が気になったのは次の三句 ・「濹東綺譚」など柔らかい作品など…
夏から秋にかけて花を咲かせる 秋海棠(シュウカイドウ)という植物があります。 たいへんに可憐で美しい花なのですが この植物 断腸花(ダンチョウカ)なんていう別名を持っているんですよ。 断腸って……。(*_*) 字面だけ見ると なんだか切腹みたいな感じがして ちょっとグロ恐ろしいイメージすらしますよね……。 こんなにカワイイお花に どうしてこんな名前が付けられているのでしょう? 実は、断腸という言葉には ハラワタを断ち切ること。 という意味の他に ハラワタが断ち切れるくらいに、悲しく辛いこと。 という意味があるんです。 「断腸」の語源には こんなエピソードが伝えられております。 --------…
血圧値 129/84/67 酸素飽和度 98% 体温 36.4℃ 体重 69.2キロ 何を食べたとか、何を呑んだとか、そういうことだけの日乗(ブログのことね)をいちいち書いてもなあ、という気持ちはあるのですが。 どうも最近、そっちに流れる傾向があるなあ。 安易、な生き方であろうか。 まあ、ひとさまにわざわざお見せするものでもないかな。 (でもアクセス数は、この話題の時のほうが多いので、これもなんだかなあ) ひとつ今日は、言い訳というか屁理屈を述べますと。 僕がリスペクトする永井荷風先生は、1917年(大正6)9月16日から死の前日の1959年(昭和34)4月29日に至る42年間の記録である、膨…