「俺は、鬼を滅するために生まれ変わった…… 」 名前を知らない彼は、鏡の前に立った。 しばらく硬直して、額をさすり始めた…… 額にアザがあったはずだが、なぜかなくなっていた。 「あれ? ここんところにあったはずだが…… 消えている…… 俺は設定通り死んだのかな? いや。原作では死にそうになったが死んでないはず…… 」 それどころか、頭に耳が生えていて、ピンクのひらひらした衣装を着ている。 「かわいい…… 俺。かわいい…… 」 何だか走り出したい衝動が止まらなくなってきた。 時計を見た。 今は朝3時である。 ここは倉庫のような広い空間だった。 人の気配はなく、しんと静まり返っていて、彼の声がやけ…