おだやかな陽射しが射している。陽だまりは温かい。空を仰ぎながら、ああビタミンD が生成されつつあるなあという気がする。風は強い。冷たく肌を刺す。二重マフラーとマスクとでガッチリ防寒しているから、暢気にビタミンD を感じてなんぞいられるだけのことだ。 昨夜は寒かった。一昨夜も寒かった。昼間は小雨模様で、一日中気温が上らなかったから、なおのこと気が重くなる冷えこみだった。いったん春めいた陽気の日々を味わってしまっただけに、気の重さはひとしおだ。 骨身に沁みる寒さなんぞと形容するが、躰の芯が凍えたり、骨までがきしり音をたてて寒がっていると実感するのは、北国だけに通用する形容だと、若いころは思っていた…