正一お祖父ちゃんはお茶目な人で、私たち孫に慕われていました。 居間のTVの前の長座布団の上にあぐらをかきつつ 舌の先で直径1cmほどの小さな「唾のシャボン玉」を作り フワっと飛ばして見せて喜ばせてくれたりもしました。 勤勉な祖父は4人の子供たち全員を大学に 行かせた後も75歳まで立派に働き続けました。 その一方、90歳ほどで永眠するまでずっと、 幼き日に亡くした父親に憧れる少年のままだった気がします。 祖父の父親(私の曽祖父)はとても優秀な人だったようですが 悲しいことに、その息子である祖父の半分も生きられなかったのです。 満40歳というとても若い命でした。 祖父の父親は、病で両脚を根元から切…