仄暗い脱衣場の明かりの下、 若者はタオルで髪を拭いながら鏡に映る自分を見た。 少し紅潮した顔には、どこか満足げな笑みが浮かんでいる。 熱い湯船から出たばかりの体には、まだ湯気が立ち上る。 彼は洗面台に向かい、冷水を顔に浴びた。 ひんやりとした感触が心地よく、熱くなった頭をクリアにしてくれる。 そして、冷蔵庫から取り出した牛乳瓶を手にした。 懐かしいガラス瓶の重みに、子供の頃を思い出した。 彼は、コップに牛乳を注ぐことなく、 そのまま瓶の口を唇に当てて飲み始めた。 冷たい牛乳が喉を潤し、体中に広がっていく。 牛乳の濃厚な風味と、ほんのりとした甘みが、 疲れた体を癒してくれる。 窓の外には、街の灯…