●歌は、「さす鍋に湯沸かせ子ども櫟津の檜橋より来む狐に浴むさむ」である。 奈良県天理市櫟本町和爾下神社境内万葉歌碑(長忌寸意吉麻呂) ●この歌碑は、奈良県天理市櫟本町和爾下(わにした)神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆刺名倍尓 湯和可世子等 櫟津乃 檜橋従来許武 狐尓安牟佐武 (長忌寸意吉麻呂 巻十六 三八二四) ≪書き下し≫さし鍋(なべ)に湯沸(わ)かせ子ども櫟津(いちひつ)の檜橋(ひばし)より来(こ)む狐(きつね)に浴(あ)むさむ (訳)さし鍋の中に湯を沸かせよ、ご一同。櫟津(いちいつ)の檜橋(ひばし)を渡って、コムコムとやって来る狐に浴びせてやるのだ。(「万葉集 三」 伊藤 博 著 角…