世界に対する様々な言葉の束、つまりは物語をたくさん持っている人は、それだけ世界を豊かに眺めることができる。 物語を味わうことの効用は、世界を見ることの彩度を上げられることにもあるのです。 本を読んでまたは物語に触れて、「面白い!」「好き!」と感じても、それだけで終わらせることができない。 それ以上は何も浮かばなくて、それだけで終わらせるしかないこともあるけど、大抵はそれだけで終わらせられなくて、その作品の何が面白かったのか、どこがどう好きだったのか知りたくなって、それを誰かに話したくなる。 それはちょっと恋に似ている。 好きになったもののことは深く深く知りたいし、深く語りたい。誰かに話したいし…