ーーーー講義録始めーーーー 慢性アルコールの有害作用 長年にわたる多量飲酒により、アルコールの慢性的な有害作用が顕在化します。主な身体的影響は以下のとおりです。 肝障害 アルコール性肝炎、肝硬変を引き起こしやすい。 心血管系障害 動脈硬化や高血圧を促進し、心疾患・脳血管障害(脳卒中)のリスクが上昇。 代謝異常 糖代謝障害による糖尿病リスク増加。 栄養障害・免疫低下 栄養吸収不良やビタミン欠乏を招き、免疫力が落ちるため肺炎などの感染症が起こりやすい。 これらの結果、アルコール依存症患者の平均寿命は一般人口より10~20年短く、肝硬変や心疾患、肺炎、自殺などによる死亡率が10倍以上高いという疫学デ…