どんな世界背景だったのか 当時のアメリカは、産業革命によって社会環境が激変。急激な経済成長と都市部への人口増加が進んでいた。少し前の中国に状況が似ているかもしれない。工場を稼働させれば稼働させるだけ儲かる時代だったため、経営者は労働者の働く環境を蔑ろにしていた。辞めれば新しい人を採ればいい時代だったのだ。 しかし、劣悪な労働環境では人は定着しない。すぐ辞める人間が増えていった。仕事を求めて都市部に集まった大勢の人たちが辞めて、都市部に大勢の失業者があふれる。これは、犯罪が増えることにもつながるため、社会不安が増す状況だった。 パーソンズは、青少年が非人間的な単純労働にばかり従事していたり、職を…