狩野川台風は、昭和33年台風22号(国際名:Ida)の気象庁による命名。
1958年9月26日〜9月28日にかけて、狩野川が氾濫、首都圏でもがけ崩れや浸水の被害が発生するなど、伊豆半島と関東地方に甚大な被害を与えた。
1958年9月21日にグアム島近海で発生した台風第22号は、26日21時過ぎに静岡県伊豆半島の南端をかすめ、27日0時頃神奈川県三浦半島、1時頃東京を通過、早朝に三陸沖に進んで海岸沿いを北上、夜に青森県の東海上付近で温帯低気圧に変わった。
この台風は、24日に中心気圧877hPaを観測するなど、大型で猛烈な台風となったため、関東南岸では26日午前から暴風となったが、北緯30度線を越えたあたりから急速に衰えたため、風による被害は少なかった。
しかし南海上にあった前線が活発化しながら北上したため、東京で日降水量371.9mmを観測するなど、東海地方と関東地方では大雨となり、土砂災害や河川の氾濫が相次いだ。
伊豆半島中部では、特に集中して雨が降り、大量の水が流れ込んだ狩野川が氾濫、伊豆地方だけで1,000名を超える死者が出た。
また神奈川県や東京都でも、市街地の浸水や造成地のがけ崩れなどにより、大きな被害があった。
など