江戸時代、徳川幕府の御用絵師をつとめた一派。 一子相伝で技法を伝え、江戸幕府の終焉のころまでその職を務める。 主な絵師としては、狩野永徳、狩野山楽、狩野探幽などがいる。 ただ、その一子相伝による技法の継承が、新たなカテゴリーの作品を生みにくくしたキライがあり、血統によらない琳派(俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、中村芳中)のような自由闊達さはあまり持ちえなかった。
「江戸にきらめいた民間の絵師たち」との副題が付されている。 行間からは「御用絵師」以外の作家を並べているようにも取れるが、実際には{狩野派}の作品も多く並ぶ。 この辺りは、同館お得意の「比較」を鑑賞者にさせるための配慮だろうか。 作者のプロフィールについても懇切だし作品の観方についても丁寧に書かれたキャプションは毎度のコト。 コーナーは大きく「富士」と「牡丹(花)」の二つに分かれ、とりわけ「富士」のパートでは描き方のその後のデファクトとなる『探幽』の画から始まる流れは面白い。 『司馬江漢』のややバタ臭い作品も多数並び、同様のモチーフが描き込まれていることに改めて気づかされる。 「牡丹(花)」の…
日本の画家 ①近世の画家糸井邦夫 監修汐文社2012年12月 初版第一刷発行 図書館の児童書コーナーの本。これも、『写真とイラストでわかる大正時代をのぞいてみよう』と同様に、本棚に表紙が見える形で飾ってあり、目に入ったので読んでみた。 意外と、日本の歴史の勉強になる。通訳案内士の試験対策にもなる。ということで、借りてじっくり読んでみた。でて来るのは、有名な日本の画家の作品の数々。これは、①近世の画家で、他に②日本画家、③洋画家 があるとのこと。やっぱり、ビジュアル付きだと記憶に残りやすい。でて来る絵画はどれもこれも見たことあるし、ほんとうに有名なものばかり。最後には、ここに掲載されている絵画の…
京都・智積院の名宝 サントリー美術館 『京都・智積院の名宝展』に行ってきた。 六本木のサントリー美術館で11月30日から1月22日まで開催中。 www.suntory.co.jp 実は、東京国立博物館の国宝展で長谷川等伯の「松林図屛風(しょうりんずびょうぶ)」が見たかったのだけれど、チケットの予約ができず、結局見に行けなかったのだ・・・・。とっても残念で、しょんぼり、、、、だったのだ。 もともと、日本画も好きなのだが、長谷川櫂さんの『和の思想 日本人の創造力』 を読んでいて、「松林図屛風」が見たくなっていたところに、明石の知人が「僕は死ぬまでにあれをもう一度見たい」といっていて、できればチケッ…
1982年の大社の祭りの旗揚げ行列にも父が出てました 2年連続だったので馬に乗るのはずいぶん慣れたと言っていたのを思い出します この時は、狩野工藤介茂光の役でした
伊豆半島の真ん中あたり、伊豆市の狩野城へ。 伊豆市にあった狩野荘を本拠とした狩野氏の狩野城。この狩野氏は有名な絵師の狩野派につながる系譜ともされています。 まぁ当たり前ですが城跡には大きな看板以外に絵師の痕跡はありませんので、絵に造詣が無くても大丈夫です。その分(?)整備された遺構が残っていて見どころアリ。絵師の名を借りなくても有名になってよいお城です。 お城:狩野城 静岡県伊豆市HP:伊豆市 観光情報 特設サイト訪問日:2022年1月 概要 訪問記 感想 アクセス 概要 平安時代末期に狩野氏によって築かれました。 1180年、時の城主、狩野茂光は子の親光とともに源頼朝の下で石橋山の戦いに参戦…
これも先月末から今月初めに撮ったもの。 府中市の二つの散歩場所です。 ムサシノキスゲは、本当は府中の浅間山にだけ自生する植物ですが、郷土の森博物館の庭に移植した株が、ちょうど見頃でした。 浅間山の環境を再現しているようです。 ムサシノキスゲとシラン。 ピンボケですが、キンランとギンラン。 とてもデリケートな植物で、環境が変わるとすぐに消えてしまうそうです。 絶滅危惧種なので、こことか昭和記念公園とか神代植物公園とかで守っています。 オオデマリ。 ヒトツバタゴ。 ナンジャモンジャの木ともいいます。 郷土の森博物館は梅と紫陽花の季節以外は空いていて、良い散歩スポットです。 それに何もないようで、い…
風神雷神図屏風 (約1100文字・購読時間1分30秒) 江戸時代を代表する画派として琳派という人たちがいる。狩野派、土佐派など血縁や師弟関係でつながる画派とは異なり、私淑によって同系統の技法・画風、作品群を残した俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一などの総称である。それぞれ俵屋宗達(17世紀前半)、尾形光琳(17世紀前半〜18世紀前半)、酒井抱一(18世紀末〜19世紀前半)と活動期間が100年ほど間があり、互いに直接の面識があるわけではない。ただし、光琳は宗達と一緒に活動していた本阿弥光悦の親戚であり、家に宗達の絵が多くあったため、見ることが出来た。また、光琳の活動拠点は京都であったが、江戸に出稼ぎに…
今日はぼくの中で結論が出てないことをモヤモヤと書こうと思います。 いや、モヤモヤっていうほど悩んでもないです。 ただ面白くて興味があって、ここのところあれこれ考えてるって話です。 先日とあるラジオを聞いてたら、東京都で無電柱化のキャンペーンとして俳句を募集するイベントについて言及されてたんですね。 で、これはぼくの解釈なのですが、お話の意図は、電柱がない美しい景観を謳った俳句の募集について「電柱がないことが美しい」という、美しさの概念の固定化に対する危うさについて論じられてるように受け取りました。 「なるほどなぁ」って思いました。 確かに、電柱がない景色を美しいと思う人もいれば、電柱がある景色…
根津美術館で開催されている「狩野派と土佐派 幕府・宮廷の絵師たち」展に行ってきました。 www.nezu-muse.or.jp 以下リーフレットより 約400年の長期にわたって日本の画壇に君臨した狩野派。その祖である狩野正信(1434?~1530)は室町時代に漢画の絵師として頭角を現し、りゅうはの礎を築きました。一方、伝統的な絵画様式であるやまと絵の流派である土佐派は、狩野正信と時を同じくして登場した土佐光信(1434?~1525)の活躍により栄華を極めました。その後、日本の画壇は狩野派が制しますが、土佐派の命脈も途切れず、江戸時代前期に宮廷の絵師として見事に復活を遂げました。この展覧会では、…
あっという間に2月も終わりに近づき、梅が見頃のはずのトーハクこと東京国立博物館に行かねば―ということで行ってきました。 去年の緊急事態宣言下で休館している間に期限が切れてしまった年間パスもやっと更新。また休館するかもしれないなーと思ってしばらく更新を見送ってたのですが今回の緊急事態宣言では休館せず夜間開放のみ中止という措置だったのでそろそろ大丈夫かなということでやっと新しくしてきました。実は期限を90日延ばせる措置もあったようなのだけどすっかり見落としてた。 今は企画展も開催されてない日常のトーハクなのでとーってものんびり。あまり時間がなかったので見たい展示だけ絞って鑑賞。年間パス持ってるとま…
こういうモノづくり動画大好き。ずっと見ちゃう。ツイートでは「伝統的な日本のティーポットの制作」みたいに言っているんだけど、まあふつうに見ても、日本の人じゃない感じはするよなーってのはあるよね。🤨Yet ANOTHER video of Chinese culture being reposted as Japanese.This is the Yixing pottery, made from Zisha (purple sand clay) mined in Jiangsu China.This style of pottery has a history dating back to 10…
仕事が早く終わったので、神田から浅草へ行くことにする。久しぶりに寄席でも観に行こうと思った。その前に、商店街にあるやげん堀で七味唐辛子を購入する。陳皮が多めに入ったものと、山椒を少なめにしたものの二つを注文した。仲見世通りの土産屋は、17時を回るとシャッターを下ろし始める。メンチカツの店だけがやけに行列ができていた。代わりにホッピー通りの方の明かりが目立ち始め、ドン・キホーテや浅草演芸ホールの近くにある昔ながらの飲食店は、夜の営業を始める。寄席の前に、その一角にある蕎麦屋に入る。以前友人と来た時も寄席に行く前だった。店内には一人客が数人いるばかりで、奥の座敷の席に座った。コロナ対策のアクリル板…
まじめに遊ぶ事、そのむずかしさたるや、遊びをしながらに常々とかんがえて来ても、精確な手応えとともにそれを知ったつもりになることが、どうしても簡単にはできない。まじめに文章を書くといっても、そのまじめさというのは、堅気の仕事のように見て取りやすい眺めではないのであって、ペンを放り投げて散歩にでていてなにかを着想するのはよくあることとして、開店まぎわのパチンコに行ってみることで思い浮かぶネタというのがあるのかもしれないのだったし、それを言い出したのならばもうきりがなく、しかしそうあるほかない、もうきりがない、であるほかもないのだから、しかたがない、それは結句、自明な落とし所などどこにもない、という…
【9月の京都大原】癒しのわらべ地蔵とひっそりと可憐に咲くシュウカイドウが可愛かった話 こんにちは(⌒∇⌒)京都四季の風景を中心に撮影しているmint Instagram @kt_lv_mintです♪🌸ご訪問頂きありがとうございます。 今回は9月の京都大原を散策したお話♪ 三千院のわらべ地蔵さんや、前回綴った「9月なに撮る?」で紹介した秋海棠シュウカイドウ咲く三千院と、そばの実光院を散策したので、綴りたいと思います。 🌿目次 🌿目次 ~三千院~わらべ地蔵とシュウカイドウ 癒しのわらべ地蔵 境内のシュウカイドウ 三千院 on YouTube スポット情報 静寂の中の実光院 スポット情報 最後に
楽しい会はあったけれど、一体に九月は食べものの端境期という感じ。なにかネタを待ってるうちに月が終わってしまいそうなので、取りあえず読んだ本だけあげておきます。 ○ジャネット・ウィンターソン『フランキスシュタイン』(木原善彦訳、河出書房新社)○西﨑憲編『看板描きと水晶の魚』(筑摩書房)○エリザベス・トラウト『オリーヴ・キタリッジの生活』(小川高義訳、早川書房)……あちこちにちらと顔を出す主人公(?)の数学教師、いいなあ。がさつでざっっかけなくて、でも不思議と好感持てる。こういう連作はなんだか新鮮。○松浦寿輝『香港陥落』(講談社)……小説ははじめてになるのかな。語りはさすがに達者。ただ、シェイクス…
★★★★☆ あらすじ 美人画で知られる浮世絵師・喜多川歌麿の周囲にいた女たちの生きざまを描く。 額絵 浮世絵[美人画] 【難波屋おきた】 [F6] [喜多川歌麿] [G4-BU032-F6] おうちょう人形 Amazon 感想 喜多川歌麿の最初の登場シーンがかっこいい。絵をけなして怒らせてしまい、怒鳴り込んで来た狩野派の絵師に対して、動じることなく目の前で絵を描いてみせて黙らせてしまう。彼の確固たる自信が窺え、また権力には屈しない気概も感じられた。 そんな歌麿の周辺にいた女たちの姿が描かれる。彼女たちは歌麿と色恋の関係があったわけではなく、絵のモデルなどで関わった女たちだ。男と駆け落ちする者、…
その日読んだ漫画の雑感をまとめておくエントリです。 リンク切れや無料期間公開終了などご容赦くださいませ。 本日は19件の漫画の感想です。 『ルーザーズ ~日本初の週刊青年漫画誌の誕生~』 『ボールアンドチェイン』4話 『ダンゲロスシリーズ』 「[番外編4]ハンサムマストダイ」 『Season10/番外編 第1回 邦キチー1グランプリ』 『花の雨が降る ROCAエピソード集』 『贋 まがいもの』 『梅花の想ひ人 日本昔噺選集』 「[第120話]ダンダダン」 「[番外編4]放課後ひみつクラブ」 「[#6]スパイダーマン:オクトパスガール」 『【第二十七話】カネコさんのやさしいおやつ【ブルーベリージ…
こんにちは、ハクです。 毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。 試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。 書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。 どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。 例)折りたたみメニューはこちらです ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ★★★★[ 紹介文はこちら ]★★ 大当たり!( ´,_ゝ`)プッ 宜しくお願い致します。 ◇ 【著者とひととき】 ①『資本主義の<その先>へ』…「手ごわさ」超える探究 大沢 真幸さん ★★★★[ 紹介文はこちら ]★★ 資本主義は通常、経済の仕組みとされる。心がけ一つで変えられ…
令和5年度夏期 勅使を迎える青楓 ~〈遠侍〉勅使の間 ■2023年7月13日〜9月10日■二条城障壁画 展示資料館 二条城展示資料館、今年の夏はややマイナーな一室、「勅使の間」を飾る障壁画が紹介されています。 狩野探幽による大広間障壁画等の格調高さとは一味違った、独特の典雅が示されていて楽しめました。 nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp 「遠侍」は二条城二の丸御殿の中で、車寄から入った見学者が一番最初に立ち入る部分です。 御殿内で最大の規模を誇るこのエリアは、なんといっても、「一の間」から「三の間」を飾る虎の図で有名なのですが、北東のコーナーに配置された「勅使の間」は…
大伴大江丸が残した上島鬼貫の逸話は、俳諧師夏目成美の「伊丹鬼貫伝」に記されている。 伊丹の造酒家の三男鬼貫(1661-1738)は、実家が公家の近衛家の領地だったこともあり、京都の近衛家に出入りすることがあったのだという。 当時近衛家は近衛基煕(1648-1722)という和歌、絵画、書に秀でた人物がいた。近衛家には公家たちが集まって、歌の会などを開くことが多かったようだ。 「鬼貫伝」によると、≪近衛の御殿に殿上人らが集まって会を開いていた時、お勝手に三郎兵衛(鬼貫)が訪ねたことがあった。客人たちは「三郎兵衛は俳諧体の句を作っている男だ、召し出して句を作らせよう」と言い出した。呼ばれた三郎兵衛は…
東京国立博物館本館2階の3室には、珍しい屏風が展示されていました。室町時代の作品で、重要文化財の『厩(うまや)図屏風』です。室町時代は戦乱が続く武士の世でした。武士たちにとって馬は戦場での乗物であるばかりでなく、貴重な宝物だったようです。この絵では、邸宅と変わらぬ立派な厩が建てられ、馬は板張りの部屋の中につながれています。この屏風には馬だけでなく鳥や獣、ゲームで遊ぶ人々が描かれており、当時の風俗がしのばれます。右隻には囲碁を打つ人々、馬の前で寝転ぶ人、犬や白鷺が描かれ、のどかで静かな時間が流れています。 『厩図屏風』室町時代・16世紀 六曲一双の内右隻 展示期間2023.8.8-9.18 左隻…
【カシャリ!庭園めぐりの旅】 青森県弘前市藤田記念庭園2 庭園と岩木山を望む主座敷のある和館「旧藤田家本宅」 若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、…
こんにちは。冨樫純です。 本を紹介します。 ①この本を選んだ理由 西洋名画や美術史に興味があり、日本美術もおもしろそうだと思い、購入しました。 ②こんな本です 『知識ゼロからの日本絵画入門』 安河内 眞美著 幻冬舎 日本人の美の原点。狩野派、琳派、浮世絵、円山派、近代日本画…巨匠30人の作品を全解説。 ③ こんな言葉が印象に残りました 「光琳模様」という言葉ができるくらい、光 琳のデザインはのちのちまで影響を与えています。 とりわけ花や波の模様は、いま「日本風」と呼ばれるものの、一つの基礎をつくっています。 以前、琳派を現代によみがえらせた加山又造の絵を見て、「これは和菓子の包装紙だ」と思った…
◇暑い暑い猛暑日が続いている 大型台風のあと、ちょっと涼しくなったかと思っていたが、35℃以上の猛暑日が戻ってきて、東京でも今日で3日目と続いている。 昨日は、妻たちが運営している地域のデイサービスで、認知症の人たちと耕作している畑の周りの雑草刈りを頼まれたので、朝の涼しいうちにと思って草刈り機を使って刈りだしたのだが、すぐに汗だくだく・・・。 「熱中症に気を付けて!」といわれたので、2本のペットボトルのお茶を持参して頻繁に飲みながらやったのだが「これ以上、作業していたらヤバイ・・・」と感じて1時間ちょっとで退散してきた。 ◇「ブーゲンビレア」が色鮮やかに咲いている ファーム町田店の焼き鳥ハウ…