dictatorの訳語。 古代ローマの官職。常設ではなく非常時にのみ置かれるもの。 共和制ローマはほぼすべての官職が2名以上の定員を持ち、同僚同士でチェック&バランスするシステムになっていた。が、それでは間に合わない非常時(主に戦争時)に設置されることになっていた。 その権限は絶大であり、元老院も民会も執政官も、護民官の拒否権すらも及ばず、「政体の改変」以外のすべてを行える。 任期六ヶ月、定員はもちろん1名。
War and Peace and War: The Rise and Fall of Empires (English Edition)作者:Turchin, PeterPlumeAmazon ターチンによるローマ帝国の興隆.辺境とメタエスニック断層線という外部要因を見たあと,ローマ時代のテキストから内部要因を検討する.そして古代ローマの価値観「父祖の慣行」を吟味し,それがアサビーヤにつながったと主張した.そして続いて帝国の興隆期の特徴として平民と貴族の間に断絶がなく団結することができたことを特に強調する 第6章 オオカミに生まれつく:ローマの起源 その7 社会の垂直的統合,つまり平民と貴族…
Idus Martiae(3月15日)、カエサルは暗殺されました。 シェイクスピアは「ジュリアス・シーザー」で元老院議会の会場に到着したカエサルと、「3月15日の不吉」を唱え続けた占い師にこんなやりとりをさせている。 シーザー:「3月15日は来たぞ」 占い師 :「でもまだ過ぎ去ってはいません」 「3月15日になっても何も起こらないではないか」と占い師を嗜めるカエサルと、「いやいやこれから何かが起こるのだ」、という占い師のやりとりです(「ジュリアス・シーザー」より)。 歴史の中では、この3月15日には他にも不吉な兆候がいろいろ記録されているのだけれど、その多くは後世に想像力によって書き加えられた…
今回はモンテスキューの「ローマ人盛衰原因論」を要約していきます。「法の精神」で有名なモンテスキューですが、「ペルシア人の手紙」と合わせて有名な三部作の一つです。既に絶版となっており入手困難な本ですが、ヨーロッパ史と歴史研究の面白さが詰まった本で非常に魅力的な内容です。「古代に一代帝国を築き上げたローマがなぜ滅びたのか?」の問いに対しての要因分析が考察の中心となっており、暗喩的に当時のルイ14世の絶対主義批判をしている点が注目です。 「ローマ人盛衰原因論」 ■ジャンル:歴史・政治 ■読破難易度:中(ヨーロッパ史や政治・法律の基礎があると面白く読めます。自分は世界史の教科書を手元に置いて、時折読み…
アルクのウィキペディアミニ連載第5回目の記事が出ました。「ウィキペディア~インターネット最後の最高で最低な(官僚制の)ユートピア」と題して、ウィキペディアの理念とか、私がいいと思うところ、贈与経済、終身独裁官などについて書いています。 ej.alc.co.jp
ローマ最高の力を持って終身独裁官に就任したカエサルに対して、ローマの人々は、カエサルが「王」になるのではないかと疑いを持ち始めます。歴史的に「王」や「独裁」に強烈なアレルギーをもつローマ市民は、「終身独裁官」となったカエサルに対して心のアラームが鳴ります。 旧元老院派の残党はカエサルに許されてもなお、共和政に固執しました。カエサルが示す方向を理解しようとせず、半ば狂信的に共和政の復活を信じて疑わない彼らは市民のアレルギー反応に漬け込み「カエサルが王になろうとしている」という噂を流布してローマ市民を不安に陥れ、カエサル失脚を狙うのでした。 まあ、確かに終身独裁官となったカエサルの特権を並べてみれ…
DCコミックのキャラクターたちのタイムトラベルを題材にしたドラマシリーズ、『レジェンド・オブ・トゥモロー』。 (c) 公式ウェブサイトより アメコミ×タイムトラベルという、私の大好きな要素が2つも楽しめる大好きなシリーズ!! このシーズン3は、放送年は2017年と少し前ですが、今見てもまったく見劣りしないし古さも感じません。 www.youtube.com このシーズンでは、各エピソードで歴史の歪み(=アナクロニズム)を正す、というのがテーマ。 そこでこの記事では、各エピソードの時代背景・歴史・史実をまとめたいと思います。 ただシーズン3は全18話とエピソード数も多いので、まずは前編として第7…
Ⅰ.ローマ世界の身分とその名称 Ⅱ.古代ローマの参政権要求と古代アテネの民主政の比較 Ⅲ.ポエニ戦争 Ⅳ.大土地所有経営の変化 Ⅴ.○○派の△△ Ⅵ.三頭政治の比較 Ⅶ.五賢帝の順番 Ⅷ.ローマ風都市建設まとめ Ⅸ.テオドシウス帝による帝国東西分裂後の比較 Ⅹ.キリスト教関連まとめ はい、どうもです。 ここでは、定期テストや大学受験で出題されるであろう内容をまとめております。 今回は「古代ローマ世界」編です。それでは見ていきましょう。 Ⅰ.ローマ世界の身分とその名称 ①貴族:パトリキ②平民:プレブス➂執政官:コンスル・任期1年、定員2人の最高官職④独裁官:ディクタトル・任期半年、定員1人の臨時…
三連休だけど特に予定はなかったので引きこもって、読書とブラウザゲーと映像作品と、後は飯食って酒飲んで寝ていました。んで映像作品ではこれですかね。 RRR NTR Jr. Amazon 噂に聞くインド映画『RRR』をWOWOWで放映していたので録画して見ました。三時間の長丁場だけれども、それを感じさせない「こまけぇ事はいいんだよ。お前らこういうのが好きなんだろ?ぐだぐだ言わずに楽しめ!!」って感じ満載で、楽しい映画でした。何も考えるな、楽しめ!!だけですねぇ。理屈とか細かい事を考えた方が負けって感じ。 なのであらすじとか書くだけ野暮だし、気になった人は三時間という時間をつくって見ろ!!だけですね…
カエサルは新しい国づくりに向けて、一気に事を進めていきます。 内戦が終わってから、一つ一つを対処していったのではなく、内戦を進めながら同時にあらゆる改革の準備を進めていたかのように、言葉通り「一気に」さまざまな事柄がほぼ同時に進んでいくのです。その様はまるで全て決まってるから「あとは実行するだけ」、そんなスピード感でした。 パクス ロマーナ これら事項は、広大な領土の統治と様々な宗教や文化を持った多様な属州を効率よく束ねていくために必要なものであり、その先にカエサルが見据えていたのは「パクス・ロマーナ(Pax Romana / ローマによる平和)」の実現で、そのための「帝政」という政体でした。…
「鉄板映画:人気スター映画のブログ」ローマ時代の戦士がエジプトの美しい女王に心を奪われて悲劇が起こる歴史映画。壮大な合戦シーン、人間模様に注目です。 1.ストーリーローマの軍人がエジプトの美しい女王に心を奪われて・・・。 2.キャストエリザベス・テイラー(女王)リチャード・バートン(軍人)レックス・ハリソン(軍人)ロディ・マクドウォール(軍人)マーティン・ランドー(軍人) 3.注目のシーン①主役紀元前48年、ポンペイウス軍に勝利したジュリアス・シーザー(レックス・ハリソン)。ポンペイウスがエジプトに逃亡したとの情報により、エジプトへ。エジプトではプトレマイオス13世(リチャード・オサリヴァン)…
イタリア旅行記、最後はローマにいきました。すべての建造物が想像の3倍大きいのに、歩けばすぐ歴史ある建造物に遭遇する街で、散歩していて本当に楽しかったです。 コロッセオ フォロ・ロマーノ カラカラ浴場 パンテオン トレビの泉 トッレ・アルジェンティーナ広場 食べたもの カルボナーラとトリッパ @La Carbonara ローマ風マルゲリータとサラダ @Pizzeria alle Carrette パニーニ @Neapolis Caffe ジェラート @Icecream Shop La Strega Nocciola @Gelateria del Teatro ローマ観光で気をつけること スケジュ…
帝政ローマ初期の相関図を作成しました。 人間模様がドラマチックで面白いと思います。 ■目次 ■人物紹介⓪ユリウス・カエサルアントニウス①アウグストゥス(オクタヴィアヌス)クレオパトラカエサリオンオクタヴィアクラウディウス・ネロリヴィア②ティベリウススクリボニア大ユリア大アントニア小アントニア大ドルヌス大アグリッピーナゲルマニクス④クラウディウスメッサリナブリタニクス③カリグラ小アグリッピーナ⑤ネロ ■年表■参考資料(ドラマ) ■使用素材について ■人物紹介 ⓪ユリウス・カエサル 共和制ローマ末期の将軍で政治家。ガリアを平定し、ローマ文化をヨーロッパ中に広める基礎を築いた。独裁者になりつつあった…
ナイルの船旅を終えて、カエサルは内戦の仕上げにかかります。 というとまず元老院派の残党から、と思いがちですが、まず小アジアへ向かい、カエサルの腹心が制圧に手こずっていた、ポントス王ファルナケス2世を抑えに行きます。ポントスはローマ世界の西、現代のトルコの黒海に面した西半分のあたり。ここは昔からローマとはほぼ敵対関係にあって、共和政の時代から、ローマとの戦争が絶えない因縁の王国と言って良い。ただこの頃ポントスの勢いは衰えて、有能な将軍もいない状態で、カエサルにとってみては、当時のポンペイウス軍同様、将軍のいない軍を攻めるに等しかったようです。 現在のトルコはカッパドキア地方にあたるゼラで兵数で言…
ジャンル: 哲学英語難易度: ★★★オススメ度: ★★☆☆☆ うーん、もう少し刺さる内容かなと期待していたのですが、読み手の力不足のためか、スルッと読み終わってしまいました。 (英訳も古く、thyselfとかの古い綴りも多く、ちょっと読み辛かったというのも目が滑ってしまった理由の一つ) 実家のトイレにかけられてた日めくり格言カレンダーみたいな感じ。花束のような良い言葉の詰め合わせなんでしょうが、あまりにもブツブツと途切れていてあまり心に残らない。 自分としてはもう少し背景のストーリーとワンセットで読み込まないと、心には深く刻まれないようです。 同じくローマ帝国を舞台にした本として、塩野七生の「…
それなりに健康かつ文化的に過ごせたんじゃないですかね。 分かりきっていたことだけど、6月ほど規則正しくは過ごせなかった。 前回同様に項目別に行くゾ~。面白みはないぜ。〇健康 ●食事 6月とそれほど変わらない内容。ただ体感として、胃袋がどんどん小さくなっている。米1合で満腹感を覚える。大盛無料のラーメン屋で、迷うことなく並盛を頼むようになっている。20代も終盤へ向かっているので加齢によるところもあるかもしれないけど、半年前までは無限に出前を頼んではドカ食い気絶を繰り返していたので、まあ健康的にはなってるんじゃない?●運動 暑いので走らなくなった。6月は2日に1回のペースで皇居を1周していたが、7…