2024年4月23日、私は己の胃袋が主張する訴えを持て余して途方にくれていた。 などと書けば高尚なことを言っているように見えるかと思い、文字にしてみたが、ざっくり言うと「腹は減っているものの何が食べたいのか分からない」という状況に陥っていただけの話である。 実家を出て幾星霜、自分の食べるものを自分で選び取ってきた。 それは楽しみであると同時に、その時の財布事情や体調、季節や温度など、様々な要因によって左右される、自分自身への責任を伴う自由である。 生来の食いしん坊気質のお陰で食べたいものに困ることはほとんど無いのだが、時折くだんのような、「何が食べたいのかわからない」という状況に陥ることがある…