ここ四日間ほど、玉ねぎ天を揚げている。 冬から初春にかけて、常用テキトー飯としておおいに愛食した、玉ねぎだけを具とする力うどん・力そばにも、少々飽きてきた。うんざりとはしていないけれども、親の仇のように餅ばかり食ってもなあ、という気分だ。 ひところ、野菜でも玉子でも、肉でも魚でも、茸でも海草でも、なんでも衣を着けては揚げていた。それからなん年も経つ。じつに久かたぶりに、そうだ、野菜を揚げてみるかという気が起きた。とはいっても、手始めはやはり玉ねぎだ。手順だのコツだのは忘れてしまった。思い出しながらの進行だ。イケネッを連発しながらの作業である。 つねのごとく、小ぶり玉ねぎ二分の一個。老人一食ぶん…