古事記 鵜葺草葺不合命の誕生 鵜葺草葺不合命と玉依毘売 鵜葺草葺不合命の誕生 山幸彦(火遠理命ほおりのみこと)が兄の海幸彦に勝利し、 この世界を統治するようになって間もない頃、 妻の豊玉毘売とよたまびめがやって来ました。 「火遠理命ほおりのみことの御子を身籠り、臨月を迎えました。 しかし、天津神の御子を海原で産む訳にはいきませんので、 こうして出向いて参りました。」 豊玉毘売とよたまびめはそう言うと、俄かに産気づきます。 慌てた火遠理命ほおりのみことは 海辺にあった鵜の羽を葺草かやの代わりにして、 急ごしらえの産屋を作りましたが、 まだそれが葺き終わらないうちに、陣痛が始まりました。 耐えられ…