言葉(2) 漱石枕流(そうせきちんりゅう)は、「石に漱ぎ(くちすすぎ)流れに枕す」と読む。 これは、「石で口の中をきれいにし、川の流れを枕にする」という意味である。これは誰が聞いてもおかしい。 この言葉は、役人になる前の孫子荊(そんしけい)が、友人の王武子(おうぶし)に、枕石漱流(ちんせきそうりゅう)(石に枕し、流れに漱ぐ)と言おうとして、漱石枕流と言い間違えたものだという。 枕石漱流(石に枕し、流れに漱ぐ)とは、世俗を離れて自然の中で暮らす(隠遁)ということである。もっと言えば、 自分の理想や節義を貫くため、君主のもとを辞し、あるいは最初から仕官を求めず、山林江海に隠れ住む人をさす。中国には…