斎藤幸平著『大洪水の前に』と『人新世の「資本論」』によせて 太田仁樹岡山大名誉教授論文を読んだ。なるほど。 斎藤幸平氏に対する批判なかで、今まで私が目にした中で一番紳士的で、賛同する点は賛同し、批判は批判する丁寧で説得力ある内容だった。 太田氏は、「大洪水の前に」は認め、それが「人新世--」では、「兆候的読み方」で自分に同調しない要素を排除していると批判する。いわゆる「我田引水」、都合の良い解釈。このあたり、ぜひ、マルクス解釈は学問的な議論で大いに進めてほしい、斎藤さんには太田氏の論文に意見を書いてもらいたいと思う。 たぶん斎藤氏の本の角度にもよると思う。「人新世--」は、集英社の編集もあり、…