※この評論は文学フリマ東京2022春(2022年5月29日)で配布された「月報こんとん」文フリ特別号に掲載したものです。加筆修正などは行っておりませんが、ブログ記事にするにあたり傍点の表記やレイアウトなどを調整しております。 寺山修司はなぜ川柳を書かなかったのか~現代川柳の横断可能性について~ 二三川練 序章 寺山修司(一九三五―一九八三)が短歌や現代詩、演劇や映画など様々なジャンルで大きな功績を残したのは周知の通りであり、現在に至るまで多くの研究者や識者が寺山についての研究を行っている。論者自身も横断文学者としての寺山修司の研究を行い、その文学的本質や寺山が試みた全体文学への展望を明らかにし…