岩波文庫174ページ「玄沙もいまだいはず、転法輪はこのときなりと。転法輪なしといはず。しかあれども、想料すらくは、玄沙おろかに転法輪は説法輪ならんと会取せるか。もししかあらば、なほ雪峰の道にくらし。火焔の三世諸仏のために説法のとき、三世諸仏立地聴法すとはしれりといへども、火焔転法輪のところに、火焔立地聴法すとしらず。火焔転法輪のところに、火焔同転法輪すといはず。」 玄沙師備禅師もまだ言っていない、大宇宙の真理を展開しているのはこの時だと。大宇宙の真理を展開することがないとは言っていない。けれども推し量ってみると、玄沙師備禅師は残念なことに大宇宙の真理を展開するということは説法することだと理解し…