選抜高校野球の開幕に『余録(250318)』は思う▲「まり投げて見たき広場や春の草」「若草や子供集まりて毬を打つ」。旧制一高に進学した正岡子規は米国から伝来したばかりの野球に夢中になり、作品の題材にした▲「球春到来」、初日にドジャース大谷翔平選手の母校、花巻東とカブス鈴木誠也選手の母校、二松学舎大付属が登場するのも不思議な縁▲「国人ととつ国人とうちきそふベースボールを見ればゆゝしも」。一高が初めて横浜在留米国人らと国際試合を戦ったのが1896年。子規も野球が誕生した「外つ国」で国人が活躍するゆゆしき時代が来るとは想像できなかったろう▲「暑さ寒さも彼岸まで」である。シーズンの始まりにふさわしい試…