私は不思議なことや謎めいたことが好きだ。幼少の頃はこの傾向が大変強く、「世界の七不思議」や「世界の怪奇現象」などの本を好んで読んだ。「キミは名探偵」というような謎を解くような本もよく読んだ。不思議なことを不思議に思い、そこをきっかけに科学者への道へ進むパターンもあったと思う。が、私は謎は謎のまま、理屈で解明しない方向へ向かった。具体的には芸術の世界に向かったのだ。 芸術系の大学へ行き、音楽にものめり込んだ。芸術の良し悪しは数値で計れない。数値化することから逃げたような形だ。換言すれば、白黒つける勝負から離れたかったのだと思う。その割には負けず嫌いで、あのバンドに勝っただの負けただのと一喜一憂し…