明治以降の府県制はよくいえば試行錯誤の連続、有り体にいえばその場しのぎで(姑息で)弥縫的な側面が強く、また戸口や石高も旧大名による申告が多かったようだ。データベースに入力していると弥縫的と強く感じる。とりわけ入力する際には何を選び取り、何を捨て去るかという基本的な問題に直面する。くれぐれも「プロクルステスの寝台」に陥らないよう心懸けたい。 ところで、洋の東西を問わず「歴史」という言葉には「記録されたもの」という含意が込められている。記録の残されていない時代を「先史時代」というのはこのためで、決して「歴史のない時代」という意味ではない。「百姓に歴史はありますか、豚に歴史がありますか」との発言には…