エンゲル係数の上昇に『日報抄(240411新潟日報)』は思う▼「食べることは生きること」、正岡子規の晩年は、この言葉を体現していた▼食べることで、病魔と闘う体力と気力を養っていた。朝昼晩に粥やごはんを椀に3杯以上、各種のおかずを平らげた。食事の記録からは鬼気迫るものが漂う▼子規は家計についての記述も残している。1897年の手紙を基に正岡家のエンゲル係数を計算すると61.84%だった▼総務省によると昨年のエンゲル係数は27.8%だった▼近年は上昇傾向にある。昨年は1.2ポイントも急上昇し、40年ぶりの高水準だった。単身世帯の増加なども背景にあるようだが、食品の値上がりが大きな要因なのは間違いない…