〜 亡き者たちの訪問 〜 夢の中で目が覚めた。 玄関のチャイムが鳴っている。 「こんな朝早くに何だろう?」 でも眠くてベッドから起きられない。 腰窓のカーテンから光がこぼれ、ふと目をやると亡くなったはずの猫が座っている。 後ろ向きなので、クウなのかユキなのか分からない。 居留守を決め込み微睡んでいると、ひょいっとベッドに飛び乗り近づいてくる。クウだろうか。 飛び乗った振動や一歩いっぽ近づいてくる重み、居心地のいい場所を見つけて丸くなる様子が、目を開けなくても、いつもの「それ」だと分かった。 体感を伴い、あまりにリアルなので、夢なのか現実なのか分からなくなる。 何年も前の話だけれど、こんなことも…