『私とは何か』の中でも書いたんですけど、「分人という考え方は八方美人のススメなのか?」って聞かれることがあるんですね。だけど、それはまったく違っていて、両者はむしろ逆なんですよ。分人を考える人は、「相手によって自分が変わる」ということを理解できるわけですが、八方美人は相手ごとに分人化することを放棄していて、誰に対しても同じ調子のいい態度を取っているんだと思うんですね。だからこそ、あっちこっちで愛嬌を振りまいていると、軽薄だなと感じられてしまう。(大谷ノブ彦、平野啓一郎『生きる理由を探している人へ』角川新書、2016) 中学生のときに、八方美人だった女の子を好きになりました。片思いです。1年前の…