良書というのは読後に読者の内面に確実になにかを残す。そしてそういった本とはまず出会えないといっていい。 その邂逅は稀なもので、だがしかし今回は、そのような千金に値する良書、稲垣栄洋『生き物の死にざま』(草思社、2021年)ならびに稲垣栄洋『生き物の死にざま はかない命の物語』(草思社、2022年)という本をご紹介したく思います。 本書はシンプルに、この地球上の生命、生き物のその生態、その生と死をつづった散文集です。これすなわち、紙面にこの地球上の"奇蹟"を書き留めているということ。 この奇蹟をまのあたりにして、その読書体験もやはり内面に律動せんばかりのものが込みあげてくるように思うのです。 リ…