虚構の世界へ潜るための、小さな入り口。今夜はこれに触れる指先も、生姜の刺激でひどく冴えている。 「女心と秋の空」と言うけれど、これからは「春の空」も付け加えたい。 昼間の穏やかさが嘘のように、夜になって風がボーボーと吹き始めた。 カメラを持って外に出るのを諦め、視界は室内の数メートルに固定される。 窓ガラスがガタガタと鳴るたび、何もしないまま一日が死んでいく焦りが、背中を撫でていく。 濁るのをやめて、今日を刻む 今日を完結させる力 今日を完結させる、最後の一滴 濁るのをやめて、今日を刻む こんな夜は、ついお酒に手が伸びそうになる。 けれど、ここで飲む酒は、ただの「逃げ道」でしかない。 今日とい…