これまでの経済学では市場・企業・家庭を一人格に扱い、中にいる個人を取りあげることはなかった。また自然を無限とみなして収奪してきたが(同時に農村の「余剰」人口を労働者に吸収し続けてきた)、再生産も無限とみなして対価をはらわずに再生産の場である家庭を収奪してきた。市場そのものはある規模以上にならず好況と不況の循環をするが、外部にある自然と家庭を破壊することで市場を大きくしてきた。家庭は家長による権力は格差と差別の構造をもっているが、資本主義になると家庭は収奪されているにもかかわらず、家長は家庭の女と子供と老人を収奪する構造を残した。家父長制と資本制は市場とそれ以外の空間を支配する構造としてできてい…