訓読 >>> 大汝(おほなむち)少彦名(すくなひこな)のいましけむ志都(しつ)の石屋(いはや)は幾代(いくよ)経(へ)ぬらむ 要旨 >>> 大汝と少彦名の二神がおられたという志都の岩屋は、いったい幾代の年月を経てきたことだろう。 鑑賞 >>> 生石村主真人(おいしのすぐりまひと)の歌。生石村主真人は、天平10年(738年)頃に美濃(みの)少目(しょうさかん)になった人。少目とは、国司に直属する第四等官。『続日本紀』の天平勝宝2年正月の条にある、正六位上から外従五位下を授けられている大石村主真人と同人であろうといわれます。『万葉集』には、この1首のみ。 「大汝」は。神代を代表する神である大国主命…