生糸生産を国産化して、金銀流出を防げ! 江戸時代初期に輸入品だったものが、幕末には主要な輸出品へと成長したのが生糸である。生糸は明治以降も日本の外貨獲得の主力となった。生糸産業をゼロから世界一までに押し上げた人々の奮闘を描く。 江戸時代、生糸は中国からの輸入品で、高価な白糸は京などの織物産業を支えていた。しかし生糸の輸入によって日本から莫大な金銀が海外に流出、経済破綻の危険までが起こっていた。これの解決を託されたのが新井白石だった。 新井白石 白石は長崎貿易での金銀の流出量について調査したところ、幕府が始まって100年の間に金の1/4、銀の3/4が流出したという恐るべき数字が出る。後100年の…