この国における道とは思想ではなく美意識のことである。どんなものでも美に変えてしまうのがこの国の民の美質であると言っていい。 からだを鍛え、芸を練り、精神をしなやかに強くする。そのような暮らしから生まれる硬質な叙情、それが美であり道である。 ・・・なんて、すぐにこういう適当なことを考えてしまうから、いつまでたっても実際的な暮らしが身につかないのだろう。地に足がつかなくて、いつまでもうかうかと暮らしてしまうのだろう。アカンやつ。 *** イノシシの食性を調べていて出てきたカラムシだが、カラムシといったらからむし織である。その昔、茨城に住んでいた頃、母が近所でよく採集していた。踏切の脇などによく生え…