著者の田中修氏は、植物生理学が専門の客員教授です。植物の興味深い性質を紹介する本はこれまでにも読んできていますが、この本の特徴は植物の生存戦略を擬人化して表しているところです。それぞれの生物が持つ特徴は、積極的に獲得して生き抜いたというよりは、結果として持つことになってそれが生き抜くのに有効であったというのがより近いのではと思います。ただ、実際に生き抜いているところを見ると、応援したくなるというか、胸を打たれるというか感動します。著者も植物に対して研究対象を超えた想いが強い人なのではと想像しました。あとがきで、この本は編集者からのリクエストによるものであったと書かれていて、本の構成などまで編集…