夜叉夫人1 1897年(明30)聚栄堂刊。書名『夜叉夫人』、作者名:樋口二葉(ふたば) 1910年(明43)晴光館刊。書名『鮮血淋漓』、著者名:樋口新六 (靄軒居士) 1911年(明44)日吉堂刊。書名『意外の秘密』、著者名:やなぎ生 樋口二葉(ふたば)(1863~1930) という筆名を見ると何だか冗談めいたことを思ってしまうが、有名な樋口一葉(1872~1896)とは何の関係もなく、年齢も10歳ぐらい年上の文筆家だった。だから名前は偶然そうだったと考えるしかない。(文末の引用記事参照) 彼は新聞記者の出身ながら、浮世絵などの美術評伝物や史伝物、江戸期の演劇論など広範囲な文筆活動とともに作家…