女優、映画俳優、(1909-1977)、山口県下関市出身 15才で映画界に入り、大部屋時代を経て、松竹映画の大スターへ。 戦後は、溝口健二作品に出演した。しかし、晩年は、不遇な境遇に遭い、1977年にこの世を去った。死の直前、「目が見えなくなっても、演じれる役があるかしら」と漏らした。 いとこは映画監督の小林正樹。 死後、新藤兼人が田中絹代の自伝小説を執筆した。
俳優の映画監督佐分利信田中絹代も映画監督 有馬稲子の結婚に反対する佐分利信 なだめる妻役、田中絹代 この後、両手で顔を覆って泣く演技の有馬稲子 ja.wikipedia.org www.1101.com
今度の映画紹介は昭和の「立ちんぼ」! おおまかなストーリー 映画の感想 ➀田中絹代さんが文字通りの体当たり演技で圧倒! ②終戦直後の焼け跡の町がリアルさを醸し出している ③男性たちがただの悪者だけではないのがいい ④フェミニスト・溝口監督ならではの作品 この映画の時代背景 ➀戦争未亡人 ②慰安施設設置と街頭売春婦の出現 "令和版"街頭売春婦「立ちんぼ」とは? 国はすぐに"格差是正""貧困対策"を 映画「夜の女たち」のエピソード ➀ロケ撮影で人だかりができた ②映画は大ヒット!絹代さんも演技賞を受賞! 今度の映画紹介は昭和の「立ちんぼ」! 今回は近年報道され注目されている "令和版"路上売春「立…
★★★★☆ あらすじ 終戦後の日本。戦地に行った夫の帰りを待つ女は、急病になった幼い息子の治療費に困り、一度だけ身を売ってしまう。 youtu.be タイトルの読みは「かぜのなかのめんどり」。 感想 主人公は夫の帰りを持つ一児の母だ。そんな主人公が、金策のために着物を売りに行くところから映画は始まる。そこで交わされる女同士の会話には、暗い未来の予感が漂っていて、最初から重い気分になってしまった。彼女は不測の事態が起きればすぐに立ち行かなくなる綱渡りの日々を送っている。 悪い予感は、息子の急病によって現実のものとなる。身を売ってなんとか急場をしのいだ主人公だったが、ようやく帰ってきた夫にそのこと…
平安シリーズ最終回はまたしても国際映画祭受賞作! おおまかなストーリー 映画の感想 ➀平安時代の奴隷制度がブラック企業文化に重なる! ②まるで水墨画のように美しいモノクロ映像 ③人間の尊厳を訴えるストーリーが心を打つ この映画の時代背景 ➀平安時代の身分制度 この映画のエピソード ➀ヴェネツィア国際映画祭で3作連続受賞! ②香川京子さんは入水シーンを「死ぬ覚悟で」挑んだ! ③子役時代の津川雅彦さんが出演! 最後に(日本のブラック企業文化について) 平安シリーズ最終回はまたしても国際映画祭受賞作! 大河ドラマ「光る君へ」の放送に便乗?して 始めた平安の時代劇映画紹介シリーズは 最終回となる今回も…
格差映画第2弾は小林正樹監督の純愛青春映画! 簡単なストーリー紹介 当時の若きスターのキャスティングがお見事! 木下恵介監督が書いた脚本の出来がいい 世の中の不条理を初めて知った青年の成長物語? この映画は脚本賞を多数受賞! この映画の背景にある終戦直後の格差 現代も病気でも入院できない貧困家庭がある 格差映画第2弾は小林正樹監督の純愛青春映画! 前回の黒澤明監督「天国と地獄」(1963年) に続く格差映画シリーズ第2弾は 「切腹」や「人間の條件」といった 重厚な映画で世界的に有名な小林正樹監督の 長編デビュー作にして美しい純愛の 青春物語「まごころ」(1953年)です! (劇中で窓の外を見つ…
12月13日(水)20:00~BS松竹東急 で、当ブログで以前ご紹介した 『宗方姉妹』(1952年/監督:小津安二郎) が放映予定です。 家族を描いた小津監督の作品としては少しギクシャクとした出来。その理由を猫美人なりに記事の中で解釈しています。 小津監督の生誕120年・没後60年の12月12日に合わせ、他の小津監督作品もBS松竹東急やNHKBSで放映されますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。 eigatoneko.com
★★★☆☆ あらすじ 奈良に住む三姉妹の三女は、訪ねてきた義弟の友人と二番目の姉をくっつけようと画策する。 www.youtube.com 感想 姉と義弟の友人をくっつけようと躍起になる若い女が主人公だ。恋に恋する乙女といった様子でキューピッド役に夢中になる様子は、昔の少女漫画風で見ているこちらが気恥ずかしくなるところがあった。女中や義弟を巻き込んで思い通りに二人を操ろうとする北原三枝演じる主人公のおてんばぶりは、可愛らしくもあり、小憎たらしくもあった。 主人公がくっつけようとする二人は、互いに想い合っているにもかかわらず、会えば素っ気ない態度を取る。まわりが助け舟を出しても全力で否定したりし…
2023年10月18日 アマプラで鑑賞 【監督】溝口健二 【原作】井原西鶴 【出演】田中絹代、山根寿子、三船敏郎、菅井一郎、宇野重吉 【公開】1952年 【時間】148分 どうにもならんことだらけの世の中。 『どうじゃ?これでも女子遊びをする気になるか?お前さん達は、後生を頼んで三十三か所巡りをしている身だぞ?それともこの世の諸行無常を身に沁みて知ろうとするならば、この化け猫サマにあやかればええ。』
1987年作品。市川崑は当たりはずれの振 れ幅が大きいけど「股旅」「細雪」は好 きでした。 これは田中絹代の映画人生と黎明期の日 本映画を重ね合わせたちょっと奇妙な作 品、田中絹代に興味があったのでそれの みでやればよかったのに。 あまり吉永小百合を見ていないので、ほ んわかいいひとのイメージしかないが、 気合十分、体当たりで田中絹代を演じて いた、美しさも際立っていた。もったい なかったなあ。 映画女優 吉永小百合 Amazon
★★★★☆ あらすじ 美人画で知られる浮世絵師・喜多川歌麿の周囲にいた女たちの生きざまを描く。 額絵 浮世絵[美人画] 【難波屋おきた】 [F6] [喜多川歌麿] [G4-BU032-F6] おうちょう人形 Amazon 感想 喜多川歌麿の最初の登場シーンがかっこいい。絵をけなして怒らせてしまい、怒鳴り込んで来た狩野派の絵師に対して、動じることなく目の前で絵を描いてみせて黙らせてしまう。彼の確固たる自信が窺え、また権力には屈しない気概も感じられた。 そんな歌麿の周辺にいた女たちの姿が描かれる。彼女たちは歌麿と色恋の関係があったわけではなく、絵のモデルなどで関わった女たちだ。男と駆け落ちする者、…
新藤兼人監督の「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」ですが、この映画を観た人は溝口健二監督の映画が好きだったり興味のある人だと思いますが、私は溝口監督の映画は「赤線地帯」しか観た事がなく「祇園囃子」は冒頭の部分しか観た事がないので、1本しか観た事がないという事になります。 溝口監督が最後に入院していた京都府立病院から取材がスタートしますが、医師はは他の患者の迷惑にもなるからと、あまり協力的ではない様子で、4階の特別病棟の廊下の映像のみ許可されたみたいです。 ◇ 私がこの映画を観たいと思ったのは出演者に興味をもったからです。田中絹代、入江たか子、小暮実千代、山田五十鈴、京マチ子などがインタビュー…
1987年 東宝 監督:市川崑 出演:吉永小百合、森光子、石坂浩二、中井貴一、菅原文太 鑑賞:BS松竹東急 日本映画史を代表する大女優である田中絹代の半生を描いた市川崑監督のドラマ映画です。吉永小百合が田中絹代を演じていますが、やはり美しさは際立っています。それと菅原文太演じる溝口健二監督が渋くて良かったです。こんな文太は見たことがないのでそういう面では貴重な1本だと思います。
父の違う兄姉と、母との愛憎に悩む若い清子。2024年3月に生誕100年の高峰秀子が光沢を放つ小品。 製作:1952年 製作国:日本 日本公開:1952年 監督:成瀬巳喜男 出演:高峰秀子、浦辺粂子、小沢栄(芸名は小沢栄太郎など、何度か変更)、三浦光子、 村田知英子、丸山修 他 レイティング:一般(どの年齢の方でもご覧いただけます) ◆◆ この映画の猫 ◆◆ 役:☆☆(脇役級) 光子が拾う子猫 名前:チビ 色柄:白にキジブチ?(モノクロのため推定) ◆煙のように消えて この映画の主役の高峰秀子は今年2024年3月27日で生誕100年。芸能生活を50年続けた彼女が猫と出ている映画はいくつかあり、ど…
今年で生誕100年!日本が誇る大女優・高峰秀子さん! 高峰秀子プロフィール 幼少期から波乱万丈な人生 子役オーディションの場に偶然行くと… 松竹から子役として華々しくデビュー 映画出演に追われて学校にはあまり行けず 歌手・東海林太郎に可愛がられる ついに東海林家を飛び出す 今年で生誕100年!日本が誇る大女優・高峰秀子さん! 今回は子役から少女スター 日本映画界を代表する大女優へと成長し 女優氷引退後は主に随筆家としても 活躍された昭和の大スター 高峰秀子さんを紹介します 高峰さんはあまりに大きな存在なので 何回かに分けて紹介します 少女時代から波乱万丈の人生です! ちなみに今年で生誕100年…
彼岸花 ニューデジタルリマスター版 佐分利信 Amazon ★★★ 会社重役の平山渉(佐分利信)には婚期を迎えた長女・節子(有馬稲子)がいた。娘の幸せを願う平山は見合い話を用意するが、娘は知らないうちに別の男とデキていた。それに怒った平山は娘と男の結婚を認めず、あろうことか娘を軟禁してしまう。一方、平山の同期・三上周吉(笠智衆)にも年頃の娘・文子(久我美子)がいるが、彼女は家を出て男と同棲していた。 小津安二郎初のカラー映画である。撮影にあたっては赤の発色のいいフィルムを使っているらしく、劇中にも赤を多く登場させている。タイトルの「彼岸花」はそこから来ているようだ。モノクロのときは和室が貧乏臭…
ロバートアルトマンっぽさ。というかイタールオセアーニ的というか、rootsの proceed的というか、マッシュブアタックのprotectionのpv的というか、断片的な別々の登場人物がラジオというメディアを媒介しながら一つの話に集約されていくー捨て子を育てる話なのだが。ーラジオ器機を分解している短いシーンの絵が塚本晋也の鉄男っぽかったのと、とにかく夕陽と河原とデコちゃん(高峰秀子)を綺麗に撮っていた。 猫の具合が急に悪くなって、朝一病院に聞きにいったら休日で予約いっぱいなので、今日一日中経過観察をして全く飯を食ってなかったり異常に吐いたりしたら改めて連絡ください。と言われて、東映映画祭りを諦…
2020年4月、土曜美術社出版販売から刊行された愛敬浩一(1952~)の詩集成。装幀は森本良成。 目次 ・詩篇 ・詩集「しらすおろし』(一九八六年) 抄 しらすおろし 満月ですね 声 ・詩集「夏が過ぎるまで」(二〇〇六年) 抄 朝の水やり 連取(つなとり)本町 吉凶の四つ角 古代エジプトの絵のような 六月の一番暑い日 月曜日の朝 旅その他 いつもの四つ角 スプーン 芝刈り くちびるで 夢 いつもの羊 錨 ミルキィウェイ マニラロープ 水道橋のホテルにて ハイウェイ 詩はいづみちゃん先輩から湧く 人買ひ舟(閑吟集・一三一番歌) ・詩集『母の魔法』(二〇一五年)抄 赤城山 カキツバタ 母の魔法 オ…
さて、市川崑作品6本目です。 1960年カラー作品です。 油絵の様なねっとりとした重たい色調です。冷たい態度で分かり合えない継母に対して姉弟の絆が深い。 気の強い弟思いの姉の岸惠子さん。名演技の弟役は川口探検隊の川口浩さん。妻と子供たちの間にいて、気を焼いても仕事以外何もできない父親は、森雅之さん。生真面目から、良きようにやることがすべて空回り。家族とうまくいかない継母は、田中絹代さん。名配役です。ネタバレ空模様がどんよりしていて、ストーリー展開を暗示しています。2回観ると、弟のハチャメチャな言動が生き急いでいるせいだとわかります。 お互い減らず口だが、お互いの心配ばかりする仲の良いきょうだい…
成瀬巳喜男監督『放浪記』東宝1962年『放浪記』は森光子を思い出しますが,見たこともなかったし林芙美子のことも知りませんでした.高峰秀子生誕100周年というひかえめな風潮がなければ,高峰秀子じたいに興味をもつことがなかったかもしれません.***これは面白い映画でした. 『放浪記』カフェーで働くふみ子(高峰秀子)が親分にたてつく 林芙美子が体験しただろう日本社会の底辺にいる人々のくらしと,東京が牽引した大正時代の風俗が記録されています. ***ふみ子幼少期の家族3人の行商は短時間なのですが,辺境の地を移り歩き旅をする行商人の極貧の生活を美しくも物語っています.昭和・戦後の海浜や住宅の風景は戦前の…
1時起床、脳トレゲームに夢中、ソルティアトーナメントに参入しなかなかやめられない、 きのう蕎麦を打った、美味い蕎麦ができ大満足、今日も朝から蕎麦だ、高遠そばは実に美味しい。 夫婦揃って新鶴温泉♨️おひとり様270円、実に安いね朝一番は清潔で空いてる、温泉体操をしてリラックス、iPhoneから流れる爽やかメロディーを聴きながらだ、健康には欠かせない温泉タイム、 ロシアウクライナ侵攻で戦費拡大すでに31兆円費やしてる、死傷者数31万人、プーチンの誤算が顕になりさすがにロシア国民も呆れ返ってる。 一方、ウクライナは独仏と10年間の安保を結び後ろ盾が出来上がった、アメリカはトランプ影響が強く支援が滞っ…
世界的名作『雨月物語』 黒澤明監督『羅生門』のベネチア映画祭グランプリ獲得で、大映社長の永田雅一は外国映画賞の影響力の強さを悟る。そこで既に巨匠としての名声を持っていた溝口に、賞狙いで撮らせた作品が1953年『雨月物語』である。 この作品でカメラマンをしているのが宮川一夫で、溝口とは『お遊さま』に続く2回目のコンビであった。古典の雨月物語に題材を取ったこの作品はいわゆる幽霊譚で、その幻想的で甘美な雰囲気を表現するのに、宮川はカメラマンとして手腕を発揮した。 特に、湖上で船が進むシーンでは背景の濃い霧と光に煌めく水面の描写が秀逸で、観客を物語世界にいざなっている。
溝口監督の流儀 75年制作のドキュメンタリー映画『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』は、溝口健二に脚本家・助監督として師事してきた新藤兼人が関係者39人にインタビューし、世界的監督の実像を描き出そうとした作品だ。溝口健二は名監督として知られる一方、仕事の浮き沈みが激しく俗物的な面も持ち合わせており映画でもその部分が隠さず語られている。 この後、新藤は『ある映画監督』というこの映画を補完する内容の本を出している。その中に新人時代の新藤兼人が小規模プロダクションで脚本の修行をしていた頃、師事していた溝口監督のために、オリジナルシナリオを書いて渡した時のエピソードが綴られている一冊だ。 溝口は新藤…