ヴィリエを偲ぶステファヌ・マラルメによって、1890年2月にベルギーで行われた講演のテキスト。その翻譯の森開社による上梓。随分と前に神保町の田村書店で購入して目を通したが、覚書を遺していなかった。翻譯が拙く読み難いテキストである。 彼の読書量は厖大なもので、しかも一読紙背に徹し、(...)とくに好んだのは人間の潜在的な偉大さに関わりのあるものでした。その偉大さが現われる可能性を、歴史のなか、精神のなかにさぐり、現世において偉大さが実現されるのを疑うようになりました。 ひたすらおのれの夢のなかだけに生きてきた男が、五十二歳で(これまで戦いに明け暮れてきたため)年齢も定かならぬほど老けこみ、(..…