訓読 >>> 4061堀江(ほりえ)より水脈引(みをび)きしつつ御船(みふね)さす賤男(しづを)の伴(とも)は川の瀬(せ)申せ 4062夏の夜(よ)は道たづたづし船に乗り川の瀬ごとに棹(さを)さし上(のぼ)れ 4063常世物(とこよもの)この橘(たちばな)のいや照りに我(わ)ご大君(おほきみ)は今も見るごと 4064大君(おほきみ)は常磐(ときは)にまさむ橘(たちばな)の殿(との)の橘ひた照りにして 要旨 >>> 〈4061〉堀江を通り水脈を後に引きながら、御船の棹を操っている下々の者どもよ、川の瀬によく注意してお仕えせよ。 〈4062〉夏の夜は暗くて足元がおぼつかない。引き船をやめて船に乗り…