●歌は、「ほととぎすいとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ」である。 富山市松川べり 越中万葉歌石板⑥(古歌<作者未詳>) 20230705撮影 ●歌石板は、富山市松川べり 越中万葉歌石板⑥(古歌<作者未詳>)である。 ●歌をみていこう。 四〇三二から四〇五一歌の歌群の総題詞は、「天平廿年春三月廾三日左大臣橘家之使者造酒司令史田邊福麻呂饗于守大伴宿祢家持舘爰作新歌幷便誦古詠各述心緒」<天平(てんびやう)二十年の春の三月の二十三日に、左大臣橘家の使者、造酒司(さけのつかさ)の令史(さくわん)田辺史福麻呂(たなべのふびとさきまろ)に、守(かみ)大伴宿禰家持が舘(たち)にして饗(あへ)す。…