読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース イ14-00002-258 32(左頁) 下の巻 西横堀の段 色の道 好まぬ人は底の無し 盃なりと笑ひしはいづれ 昔の捨て詞 名を捨て身をも 捨て小松 恋の淵 瀬に漂ひし 亀屋忠兵衛は屋敷の為替肌にしつかり羽織の紐短き日脚も七つ過ぎ つお一走りと門の口 出馴れし足の癖に成り 心は北へ行く/\と思ひなからも身は南 足は右へといつの間に 西 横堀をうか/\と 新町橋迄歩み来て ふつと気が付き傍を眺め 是はしたり中の嶋のお屋敷へ 行く筈を どふ狼狽(うろたへ)て爰へ来た事 但しは…