「必要と非実用は対立しない」という考え方は”実用”と”非実用”を対立させる考えの上にあるものですが、どうしてこれが消滅してしまったのか――だから平気で「分かりにくい」などという言葉が上がるのかというと、実用と非実用を対立させて考える側のものが”非実用”を排除してしまったからですね。思考の構成要素が排除されてしまえば、それを構成要素とする思想なんか存在しっこない。だから、「実用と非実用は対立しない」という考えが分かりにくくなったのです。(『風雅の虎の巻』P.317) さて、『風雅の虎の巻』(1988)である。 一体、この本の目的とは何なのだろう? 『風雅の~』は、突然始まる。 昔と今とでは”大人…