今回の内容 大型狩猟獣の大規模絶滅に伴い、人類は別の食料確保手段を見出す。海や海浜の資源の利用、植物の収集、調理、粉ひき、加熱、そして発酵。中でも人類にとって重要なのが植物の栽培と動物の家畜化だった。そして都市と農村という文明社会。これよって、人類と病気の関係も変化する。今回のテーマは古代の人類と疫病の関係である。 今回もウィリアム・H・マクニール著、『疫病と世界史』の紹介の続き。寄生虫、菌類、細菌類など様々な病原体がもたらす疫病が、人類の歴史にいかに影響を与えたかを先史時代から20世紀まで論じた野心作である。 内容について要約をしているが、本書の原著が1976年に出版されたことにご留意いただ…