疾風怒濤とは、激しい風と荒れ狂う波の意。また、時代が激しく変化することの形容。
ドイツ語の「シュトゥルム・ウント・ドラング(Sturm und Drang)」の和訳で、ドイツ語での本来の意味は「嵐と衝動」。
18世紀後半にゲーテやシラーらを中心にドイツで展開された文学革新運動や、そのような運動で象徴される時代そのものを指す。後のロマン主義に繋がる時代であり、人間の内面に迫る革新的な作品で新たな潮流を生み出したことから、現在では転じて、時代が激しく変化することに対して使われる言葉となった。
「疾風怒濤」という訳語はドイツ文学者である高橋健二*1が考案したもので、この語のイメージから「嵐と大波」と意訳されることも多い。
既に日本語(四字熟語)として定着しており、その字面から転じて「激しい勢い」を形容する言葉(あるいは文字通り「疾風と怒濤」を表す言葉)としても良く用いられている。
*1:同じくドイツ文学者である成瀬無極によるとの説もある