ジャン・グレミヨン(Jean Grémillon)による1949年作『白い足(Pattes blanches)』について。 ブレッソンのキャリア初期と同じ時期にカール・TH・ドライヤーやこの監督の後期の映画があるということにすごく納得感がある。冒頭の空に左下にさがるように広がる暗雲、暗雲に向かうように左へと移動し舞台となる町に入る車のショットに始まり、画面に映る全てに暗い霊感のような何かがあり、その霊感が無意識に対して意識的に鳴らされる異音と共鳴している感覚。三人とも、戦争を背景に信仰のあり方を描いた監督のように思える。 ブルターニュ地方の田舎、丘に建つ古城、その下に広がる港町。その城に代々住…